臨床試験情報
高麗人参組成物を用いた臨床試験情報
臨床試験情報
高麗人参組成物を用いた臨床試験情報
高麗人参組成物の安全性および効果確認試験
(1日9粒3週間摂取)
高麗人参はGinsenosideをはじめ、多くの有用成分を含み、多様な生理活性を示す食品です。しかも安全性が極めて高く、それゆえ2000年以上の長きにわたり飲み続けられ、世界の人々の健康維持や疾病予防・治療に貢献してきました。今回、高麗紅参組成物の安全性と効果を確認するために臨床試験を実施しました。その結果を報告します。
1.目的
高麗紅参組成物を、比較的多く摂取した場合の安全性および効果確認試験を実施しました。
2.試験方法
1.供試品 | 高麗紅参組成物 (高麗紅参粉末70%+高麗紅参エキス粉末30%)を錠剤にしたもの(1粒300mg) |
---|---|
2.試験実施施設 | 京都四条病院健康管理センター |
3.試験実施期間 | 平成20年3月中旬~4月中旬 |
4.被験者 | 本試験内容に同意した40歳以上の男性5名と女性4名 |
5.摂取方法 | 1日9粒、3週間連続して摂取。摂取時間は自由とした。 |
6.測定項目 | 摂取開始前と3週間後に下記項目を測定する。
|
3.試験結果
被験者の生データを示します。ほとんどの項目で3週間摂取後の数値は試験開始前の数値に比べ悪化しておらず、安全性に関して問題のないことが確認できました(2~3悪化した項目もありますが、その理由がある程度はっきりしております)。 次に3週間の摂取で、血中中性脂肪や肝臓数値、腎機能数値に改善がみられました。
<1>1日9粒摂取時の安全性について
健康診断成績書の試験開始前の検査値と、3週間後の検査値を比較してみてください。(健康診断成績書の“今回←前回”の意味は前回が試験開始前の検査値で、今回は1日9粒摂取し3週間後の検査値を示します。)
アルファベットを赤丸で囲っているものは3週間後に改善した検査項目を示し、青丸で囲っているものはやや悪化した項目を示します。
悪化した項目を検討しました結果、M.H様の血圧は会社および家庭にて血圧測定した場合は正常範囲であるとのことで、Y.Y様は検査日の前日遅くまで飲酒・食事されたそうです。H.S様は自覚症状的には全く問題なかったのですが、何らかの原因で尿潜血があったものと思われます。他の人は変化なしか、やや改善です。以上のことから高麗紅参組成物の1日9粒摂取は、安全性に関し問題のないことが確認できました。
<2>1日9粒摂取時の効果について
高麗紅参組成物の安全性試験において行った各測定値について、効果面に焦点をあてて解析した結果を以下に報告します。
1.血中中性脂肪の変化
被験者の測定値を詳細に検討した結果、男性5名は高中性脂肪血症者でその血中中性脂肪の低下に大きな効果を示すことが分かりました。結果を図示します。
このように、高麗紅参組成物は、血中中性脂肪を有意に低下させることが分かりました。この作用はサポニンが脂肪の腸管からの吸収を阻害しているのか、それとも脂肪の肝臓での再合成を阻害しているのか、それ以外の作用かは、今後の検討課題です。
2.肝臓数値(GPT,GOT)の変化
GPT,GOTはともに肝臓の細胞が障害を受けると血液中に流れ出し数値が上昇します。従いまして数値の低下は肝臓細胞を修復していると考えられます。得られたデータを検討しますと、これら数値が高麗紅参組成物の1日9粒摂取で低下傾向を示しています。結果を図示します。
元来、高麗人参は肝蛋白合成促進作用やアルコール分解酵素の活性化作用等により、肝機能を向上させると言われていますが、本試験により高麗紅参組成物もその機能が確認できました。
3.腎機能数値(クレアチニン)の変化
蛋白質の分解物である尿素やクレアチニンは本来、尿中に排泄されますが、腎機能が低下すると排泄が不十分となり、血液中に増加します。本試験における男女9名はいずれも正常域でありましたが、女性4名において、高麗紅参組成物の1日9粒摂取でクレアチニンが有意に低下しましたので、その結果を図示します。
有地先生らの腎疾患患者に対する臨床試験で、血清クレアチニン値が正常値の時期に高麗人参を投与開始すると有効率が高くなると報告されています。本試験もこの報告と傾向が一致しており、高麗紅参組成物は腎機能に対して有効と思われます。
4.自覚症状の変化
男性5名、女性4名の被験者に試験前と3週間後に13項目の各症状において(各症状には1から7までの7段階の状態がある)当てはまる状態の数字を記入していただき、試験前と3週間後の数字を比較して整理した結果を下表に示します。
今回、9名中6名に自覚症状の改善がみられましたが、これは主に高麗人参が持つ血流改善作用が中心となって症状が改善されたものと考えられます。他の3名は体内数値である脂質や肝臓の数値が改善されているにもかかわらず、自覚症状の改善はみられませんでした。このことは脂質や肝臓の数値が改善されても、ここに記載した自覚症状の改善にすぐには結びつかないことが分かり、実感に結びつくには数ヶ月の摂取が必要かと思われます。以上、3週間という短期の飲用であっても高麗紅参組成物を1日9粒飲用すればかなりの効果が得られることが分かりました。
4.本試験のまとめ
今回、高麗紅参組成物を1日9粒摂取した場合の安全性と効果の確認を主目的に3週間、試験を実施しました。 結果、安全性は確認できました。それに加え、たった3週間の飲用でも、数種の体内数値に改善がみられたことを報告しました。
高麗紅参組成物の持つ血流改善作用などで、冷え性や肩こり・不眠などの改善は比較的早く感じることは出来ます。ところが脂質の数値や肝臓の数値、尿酸値等の体内数値がかなり改善されていても、実感としてすぐに感じたくとも感じることは出来ません。しかし大事なことは、なにはともあれまず、健康体に戻し、かつ病気予防および長寿を考える上で、これらの体内数値を常に正常域に近づけておくことが極めて重要であるのは言うまでもありません。
したがいまして、初期の1~2ヶ月で実感がないからといって飲用を中止されるのは、実に勿体無く、是非、健康診断等でご自分の体内数値をお知りになり、数値が改善されているかどうかご確認されることを強くお薦めいたします。 今回、体内数値の改善につながらなかったγ-GTP、尿酸値、コレステロール値などについては、1日3粒摂取による臨床試験で報告させていただきます。
室長
長谷川 昌康
金氏高麗人参(株) 品質保証・研究開発室
京都大学 農学部農芸化学科 卒業