高麗人参の効果
様々な症状に効果を発揮する高麗人参
高麗人参の効果
様々な症状に効果を発揮する高麗人参
高麗人参が「骨粗しょう症」を改善
高齢化社会が抱える問題・骨粗しょう症
わが国の骨粗しょう症患者数は平成23年度の調査で約1300万人と推定され、今後ますます高齢化が進むにつれ、患者数は急増していくものと考えられています。男性よりも女性の方が2倍多い疾患です。
骨粗しょう症とは、骨を構成する主成分のカルシウムが加齢や閉経等に加えて食事でのカルシウム摂取不足や運動不足等が原因となって減少して、骨の内部が隙間だらけとなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる疾患です。
寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗しょう症による骨折であることから、高齢化社会が抱える問題の一つと言えます。
骨粗しょう症の種類
骨粗しょう症は、内分泌性や薬剤性等原因となる基礎疾患がはっきりしている「続発性骨粗しょう症(二次性)」と閉経後の女性や高齢者に多い「原発性骨粗しょう症」に分類され、約90%は原発性骨粗しょう症です。
骨には二つの役割があります。一つは人体という構造物を支える柱の役割と、もう一つはカルシウムを必要に応じて血中に供給する役割です。
骨の構造の大部分は蛋白質のコラーゲンを主体とする骨基質にカルシウムやリン等のミネラル(骨塩)でできた無機成分のヒドロキシアパタイトの結晶が沈着したものです。骨粗しょう症は、骨量(骨の量的指標の総称=骨塩量+骨基質量)が減少した状態で、下図に示す如く骨量は18歳頃がピークとなります。
骨の組織では、破骨細胞が古くなった骨を溶かし(骨吸収という)、骨芽細胞がほぼ同量のカルシウムを沈着させて骨形成を行っています。健常者は骨吸収と骨形成のバランスが保たれていますが、閉経後の女性は骨芽細胞は正常に働いて骨形成は十分にできているのに、破骨細胞の働きの方が活発で、骨吸収がそれを上回っているために骨量が減少することが多くあるようです。以下に、日本骨代謝学会が作成した原発性骨粗しょう症の診断基準を示しました(下図参照)。
骨粗しょう症の原因と治療
発症の原因をまとめますと
骨量減少における老化因子
- 閉経(女性ホルモンの喪失)、早期閉経、婦人科手術による骨吸収の進行
- 腸管機能の退行(低下)によるカルシウムの吸収低下
生活環境・習慣
- 喫煙
- アルコールの濫用
- カルシウム摂取不足
- 事務系職業
- 運動不足や急激な過度の運動
遺伝的素因
- 女性ホルモンやビタミンD受容体等
- 人種差(アジア系は骨量が低い)
- 性差(女性に多い)
- 低身長、やせ(発症しやすい)
骨粗しょう症の治療薬としては
骨吸収を抑える薬
女性ホルモン、カルシトニン、ビスフォスフォネート、イブリフラボン、ラロキシフェン
骨形成を助ける薬
ビタミンK2
骨吸収と骨形成を調節する
活性型ビタミンD3、カルシウム剤
骨粗しょう症と高麗人参
近年、高麗人参と女性ホルモンの併用使用で骨粗しょう症に有効との大変興味ある結果が報告されています。 中国・北京ユニオンメディカルカレッジのGong YSらは骨粗しょう症を発症しやすい卵巣を切除されたラットを用いて卵胞ホルモンと高麗紅参に含まれるジンセノサイドを投与した場合の骨粗しょう症に対する効果を試験された結果、卵胞ホルモンとしてエストラジオールとジンセノサイドは腰椎および脛骨のBMD(骨塩)の減少を阻止できました。またエストラジオール(0.1μモル/L)とジンセノサイドRg1(1μモル/L)は骨芽細胞の培養において骨芽細胞の数やアルカリフォスファターゼの活性および細胞間のcAMP濃度を増加することができました。現在の調査結果では、エストラジオールとジンセノサイドは卵巣切除ラットにおいて抗骨粗しょう症の効果があることを示唆すると報告しています。
また中国・広東医科大学のCui Lらも卵巣切除ラットを用いて卵胞ホルモン(エストラジオール30μg/Kg、100μg/Kg)とジンセノサイド(100㎎/Kg、300㎎/Kg)の組み合わせで骨粗しょう症に対する効果を調べた結果、エストラジオールの二つの投与群とジンセノサイドの高投与群は、骨体積を増加させ破骨細胞を阻害し、骨代謝回転率を減少させましたが、ジンセノサイドの低投与群は効果がありませんでした。しかしながら低投与のエストラジオールと低投与のジンセノサイドの組み合わせで骨体積を増加させ、破骨細胞を阻害し、骨代謝回転率を減少させ、エストラジオール高投与と同レベルの骨粗しょう症に対する効果が得られました。これらのことよりエストラジオールと高麗紅参は相乗的に作用し、骨粗しょう症に対する予防効果があると報告しています。
今後骨粗しょう症に対する高麗人参の効用については、ますます研究が進むものと思われます。いずれにしても深刻な社会問題になりつつある骨粗しょう症に対して高麗人参が大いに寄与していくものと考えられます。