骨粗しょう症の診断基準は、骨の強度。
現在、骨粗しょう症の認識は「骨の強度が落ちて、折れやすくなる病気」と改められています。この"骨の強度"を決めるのが、骨の量(骨密度)と骨の質(骨質)です。
骨密度は、骨に含まれるカルシウムなどの、ミネラルの量で表されます。一方の骨質は、骨の基礎をつくるコラーゲンの質に左右されます。コラーゲンは骨を支える柱の役割を担い、カルシウムは柱の周りを固める、いわば補強剤のような役割を果たしています。そのためコラーゲンの質が劣化したり、カルシウムの量が減少すれば、骨は強度を失います。すると、重い荷物を持ち上げたり、段差につまずいて転ぶといった些細なことで、簡単に骨が折れてしまうのです。
これまで骨粗しょう症は、骨密度ばかりが注目されてきました。 しかし、折れにくく強い骨をつくるには、骨密度と骨質の両方を高めることが重要なのです。
夏は、骨粗しょう症になりやすいので要注意。
大量に汗をかく夏は、カルシウムが汗とともに体外へ流れ出てしまい、骨密度が低下しやすくなります。すると骨がスカスカになり、骨粗しょう症のリスクが高まります。
食生活に気をつけて、骨を丈夫にしよう!
骨密度を高めるには、カルシウムはもちろん、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDが欠かせません。
中高年の場合、カルシウムは男女ともに1日に700㎎程度を摂るのが望ましいとされ、これは牛乳で換算すると、約3杯分になります。またビタミンDは、1日5μgが目安とされますが、この栄養素には、体内に溜めておけるという利点があります。たとえば紅鮭なら、100gあたり33μgのビタミンDが含まれるので、1回の食事で約1週間分を補うことができます。
次に、骨質を良くするには、タンパク質(コラーゲン)やビタミンKを含んだ食材がオススメです。タンパク質は骨を丈夫にし、ビタミンKはタンパク質の働きを活性化します。タンパク質は豚肉や鶏肉などの肉類、ビタミンKはパセリやほうれんそうなどの葉野菜に多く含まれますので、これらを積極的に摂りましょう。
骨を強くするには、軽い運動も重要!
骨は刺激を与えられると、強くなろうとして、カルシウムを吸収しやすくなります。そのため、ウォーキングなどの軽い運動を毎日続けることで、骨は適度に刺激を受けて太さや強度を増していくのです。
骨粗しょう症の予防に役立つ、高麗人参。
高麗人参は、胃腸の調子を整える働きで、年齢とともに低下する消化・吸収作用を高めます。これにより、ビタミンやカルシウムなどの栄養分が、体内に取り込まれやすくなって骨が強くなります。
卵巣を切除したラット(※)を2つのグループに分けて、 一方には骨粗しょう症の薬のみを大量に投与。 そして、 もう一方には少量の薬とともに高麗人参を投与しました。 すると、 どちらのグループも同じ改善効果が見られました。
このことから、 高麗人参を併用することで、骨粗しょう症の薬の量を減らし、 副作用のリスクを軽減できることがわかりました。
※薬を処方されている方は、自己判断で薬を減らさず、必ず医師にご相談ください。
※卵巣を切除すると、骨密度が低下しやすくなります。